こんにちは。コミュマネラボスタッフのゆりなです。

メンバーさんインタビュー企画第10弾は企業とユーザーが融け合うコミュニティサクセスプラットフォームを運営するcommmune(コミューン)に勤めるこまやさんです!

コミュニティの継続の秘訣やコミュニティを活用した海外企業の事例などについてお伺いしました。

■ こまやさんのご紹介

オンラインコティの企画・構築・運用を一気通貫でサポートするcommmune(コミューン)にて、コミュニティを運営代行する部署の責任者を務め、自社のお客さま向けのコミュニティ運営の責任者としても活躍中。

また、前職時代からカスタマーサクセス職の人と交流するBtoB×SaaS×CSを主宰し、今も半年に1回程イベントを企画している。


💡 <一問一答>

企業コミュニティにおいて大事なこと

人をしっかり配置し続けること。そして会社がコミュニティを大事に守ること。

コミュニティマネージャーに向いている人

他人の意見を受け止めて、それを汲みながら進めることのできる人。私のチームでは採用基準にもしていて、このようなムーブが出来そうかどうかという観点で面接しています。

好きな映画

「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険」

劇場版初期四部作の最後の作品で界隈では非常に評価の高い作品です。

何が良いのか言語化するのは難しいですが、テンポの良い笑いを織り交ぜつつホラーシーンで一度落としてから主人公しんのすけの急成長が描かれていて何回見ても飽きない映画です。

小学生のころ繰り返しみていたので今の人格形成に影響を与えているかもしれません。

趣味

合唱(歌)と将棋です。結婚前は全国大会で毎回優勝するような社会人合唱団に所属してハードに練習していました。いつか「コミュニティマネージャーの歌」を作ってみんなでハモりたいです。カラオケに誘われたら高確率で参加します。将棋はいまもネットでたまに指します。

今後の目標

企業コミュニティやコミュニティマネージャー自体の地位向上です。

今後、地位向上に貢献できる活動を増やしていきたいなと思っています。

詳細インタビュー 👀

commmune(コミューン)で働かれるようになったきっかけを教えてください。

前職ではデジタルマーケティングの領域で働いていたのですが、そこでコミュニティの立ち上げに関わってから、コミュニティを仕事にしたいなと思うようになりました。

お客様志向やユーザーフレンドリーでサービスを作ることに昔から関心があって、そこを突き詰めていくと、サービス自体もユーザーさんが主体的に作ってくれた方が良くなるのではないかという極論に達しました。

海外ではすでに事例が結構あって、今後はこれがスタンダードになっていくのではないかと考えています。

ーそうだったんですね。実際に働いてみていかがですか。

2年ぐらいになるんですけど、とても充実しています。

いまはコミュニティの運営を代行する部署の責任者と、commmune(コミューン)のお客さま向けのコミュニティの運営責任者を務めています。

私がメインで手を動かして運営代行したのは累計で10社前後。メンバーのサポートで入った案件が30~40社程度。アドバイザリーで入った案件も含めると50~100社程度です。

コミューンが提供しているコミュニティプラットフォームの導入数自体はもっと多いのですが運営の代行まで支援し始めたのはここ最近です。去年秋ごろから契約社数が毎月どんどん増えています。

ー2年ですごい数ですね。プロジェクトが同時進行してるときに頭の切り替えはどうされてますか。

頑張って切り替えるだけですね。(笑)

私は立場上沢山の案件を見ていますがチームメンバーは1人4案件を超えないようにする等のコントロールをしています。また、社内で「事前に議事録を作って打ち合わせに臨む」という鉄のルールがあって、すべての打ち合わせを書き残しているので、それを見ると過去の経緯を思い出せますし、誰かにヘルプを求めやすくなります。

ーいい仕組みですね。たくさんのコミュニティを見てこられている中で、成功するコミュニティに必要な要素は何だと思いますか。

色々あると思うんですけど、 適切な人を継続的に配置して、会社がその人たちを守ってあげられるかというのは個人的に1番大事かなと思っています。 

とある海外のアンケート結果によると、コミュニティを続けられなくなってしまった理由の1位が人員不足だったんですよ。

うまくいっていたコミュニティの中心人物が離れることでパワーダウンして、ユーザーが離れてしまい、慌てて施策を打っても後の祭りで戻ってこない、みたいなことは結構あるかなと思います。

ー悩ましいですね。そうしたコミュニティマネージャーに向いているような求心力のある方に共通する要素はあるのでしょうか。

ズバッと言うと燃えそうで怖いんですけど(笑)、人の言うことをちゃんと聞いて、それを汲みながら進めることができるかできないかは大きいのかなと思っています。

自分の考えを信じて、周りを巻き込まずに成功するビジネスパーソンはいると思うし、それはそれですごく優秀だと思うんですけど、コミュニティマネージャーの場合は、周りを巻き込んで一緒に進まないといけないので、いかに自分自身がキレキレでも周りの話を聞いて、部分的に取り入れる余白がないとコミュニティを盛り上げるのは難しいのではないかなと考えています。

ーメンバーの意向を聞かずに1人でガンガン進まれるとメンバーはついていけないかもしれないですね。そういった心得もお客さまに伝えるんですか。

お伝えすることはありますが、伝え方はすごく気を付けます。おこがましい動きでもあるので。

すぐには腑に落ちない方もいらっしゃいますが、実際に動いてみて結果が見えるとご納得いただけることが多いように思えます。

ーやってみせられるとスッと腑に落ちそうですね。前述の「適切な人を継続的に配置して、会社がその人たちを守ってあげられるか」の「守ってあげられるか」というのはどういう意味ですか。

コミュニティには組織作りの側面があるので、お客さまと仲良くなったり、信頼関係を築いたりするためにパーティーのような場を開くことがよくあると思います。

でも、それは他の部署からは遊んでいるように見えて、反感を買うこともあります。部長~経営陣の方々に向けて必要性やコミュニティの効果や現状を営業段階から定期的に説明するようにしています。

コミュニティのイベントで登壇やご挨拶等の役割をもってもらい運営側の立場になってもらえるとベストですが難しいときもあります。報告は欠かさず行っています。

ー新しい職種なので、なかなか理解されない部分はありそうですね。お客さまに共通する悩みはありますか。

弊社のサービスはオンラインコミュニティのプラットフォームなので、そのユーザーさんだと投稿を増やしたいとかアクティブユーザーさんを増やしたいなどのお悩みが1番多い気がします。

複数のコミュニティから同じ悩みが来てたとしても、解答はそれぞれ変わってきますか。

そうですね。例えばコミュニティの人数規模で解答が変わることはあります。数万人のコミュニティだと、1人1人と話すことも重要なんですけど、聞いたことを一般化して、仕組みに反映することが重要になってくると思います。投稿テーマの設定をしたり、 アプリをもっと使うように誘導したり、システムを改善していきます。

小さいコミュニティであれば、全員とダイレクトメッセージで個別に会話して、 関係を深めたりしています。

ーなるほど。やりたかった仕事に就かれて充実している中で新たな目標はありますか。

個人的にはコミュニティマネージャーや私がやっているようなコミュニティ支援事業がもっと市民権を得て、一般的になってほしいと思っています。

なので、今後は布教活動やコミュニティ運営を頑張っている人を応援する活動をよりたくさんできるといいですね。

ー素敵ですね。少しずつ一般的になってきているような気がしますが、いかがでしょうかか。

ここ数年で変わったと思っています。前から取り組まれている会社はあったんですけど、より様々な業種・業態の人がコミュニティに興味を持っているのを2021年ぐらいから感じるようになりました。

コロナの流行でリアルの接点がなくなったので、オンラインコミュニティやオンラインサロンが流行りました。また2020年の12月にアンドリーセン・ホロウィッツという米国の投資会社が「Community Takes All」という記事を出しました。コミュニティ主導で伸びるサービスが天下をとる、という趣旨のレポートです。

このレポートでは例えばTikTokとSpotifyの成長率の差はコミュニティの差であるという見解が披露されています。

TikTokは元々music.lyという音楽サービスでSpotifyと似たジャンルのサービスでしたが、音楽をライセンスしてユーザーが勝手に使えるようにしたり、創作のお題を出したりして、ユーザーがコンテンツを沢山つくれるような施策を積み重ねていったそうです。この延長でいまのような縦型動画のサービスに進化していきました。

このようにユーザーがコンテンツの作り手として参加し、お互いのコンテンツを通して交流できるようにすることが面白いサービス体験になり、事業成長を大きく加速させる場合があります。

プロダクトレッドグロースならぬコミュニティレッドグロースなんて言われることもあって、以前はコミュニティは本流の施策ではないという見解が多かったように思えますが、いまは企業活動の中心にコミュニティをおく、といった考えも市民権を得はじめているように思えます

ーそうなんですね!他の事例も知りたいです。

有名なのはNotionですね。

すごく複雑で多機能なので、「私は時間管理のためにこうやってNotionをカスタムして使ってます」みたいに活用方法をネットにあげたり友人家族に紹介するユーザーさんが出てきてサービスが広がっていきました。

ーNotion側はそれを予想して作っているのでしょうか。

多少狙っていたところはあるのかなと勝手に思っています。 

Notionはユーザーさんの意見を取り入れて、ユーザーさんと一緒に開発していくスタンスを取っていることで知られています。

私の予想ですけど、わざと少し複雑に作ることでやり込み要素を作って、やり込んだユーザーさんが伝道師となり、自動的に販売促進活動をしてくれています

口コミは下手な広告より有効なので効果的だなと思います。

他には、言語教育プラットフォームであるDuolingoは多国展開するときに、現地の人にボランティアで教材を作ってもらってるんです。

社員の人が一生懸命教材を作るよりも、実際にサービスを使う現地の人にわかりやすい教材を作るには現地の方が適しているという判断だと思います。

ーその国の文化を知らない社員が作るより良いサービスが作れそうですね。ボランティアだと報酬は一切なしですか。

すごく活躍した人にはリワードを渡しているようです。詳しくは覚えてないんですけど、例えば、大学に入る時の推薦状を書いてあげたり。

ーそんなことをしてもらったら、一生ファンになりますね。興味深いお話をありがとうございます。

話は変わりますが、こまやさんの趣味について教えてください。

将棋と歌うことが好きです。

ーそうなんですね。将棋といえば、藤井聡太棋士はどれくらいすごいんですか。素人からすると、ニュースでは昼食についてしか報道していないので、すごさがいまいちわからなくて。(笑)

藤井聡太7冠はそれはもうすごいです。(笑)

話がちょっとそれますが日本将棋連盟は将棋のことをあまり知らない方向けのマーケティングが上手ですよね(笑)

新たな将棋ファンを作るときにご飯やスイーツの話をとっかかりにするのは上手なやり方だと思っています。

ーコミュニティにも活かせそうですね。最後にコミュマネラボとメンバーさんへ一言メッセージをお願いします。

とっても活発で良い雰囲気のコミュニティだと思うので、末永くよろしくお願いいたします。

仕事に追われたりして、あまり顔を出せないときがあるのですが、盛り上がるように貢献していければと思います。

ーこまやさんの投稿はいつも内容が濃いので、勉強になります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!