こんにちは!コミュマネラボスタッフのゆさです。

メンバーさんインタビュー企画第12弾は新潟で起業したい学生と支援者を繋ぐコミュニティを運営している、あらかわさんです!

コミュマネとして大事にしていることや起業支援コミュニティならではの取り組みについてお伺いしました。

■ あらかわさんのご紹介

東京の会社でブランディング・PRの仕事でキャリアをスタート。その後、新潟に拠点を移し、学校法人で事務長を勤めたのち、2019年より「SN@P」を立ち上げ、コミュマネとしても活躍中。

💡 <一問一答>

コミュマネとして大事にしていること

コミュニティは属人的なものですが、仕組みは属人的にならないようにする、というのを意識しています。

うまく機能した施策

「コインシステム」

支援者が起業を目指している人に対して、コインをあげられる投げ銭みたいなものです。1コインあたり100円相当で、起業に必要なものやサービスに交換できるので、学生たちは応援してもらえるように、積極的に今の取り組みについて発信するようになるし、支援者側もDiscordを見る理由ができる。それぞれのアクションが明確になったという意味で良い仕組みだなと思っています。

好きな漫画

・『GIANT KILLING』

サッカーチームの監督が主人公の漫画です。これを一通り読むと、組織論、人のマネジメントが大体学べます。前職で組織を立て直す際に、まずみんなで『GIANT KILLING』を回し読みをするところから始めて、「あ、俺このタイプだったかも・・・」という自己認識を促していました。

・『ブルーロック』

サッカー漫画ですが、自我をどれだけ大切にするかをテーマにした漫画なので、起業家には必須な一冊だと思います。

趣味

・子育て

子供は、高校2年生の長男、小学4年生の次男、5歳の長女なんですが、もうそれぞれが違いすぎて面白いです(笑)


・マラソン

大会に出たりしていて、ちょうど先週もフルマラソン2回目を終えたところです。マラソンは、努力した分だけ成果として返ってくるのが良いです。

今後の目標

起業支援の中でも特に将来性があって、地域にとっても財産になりやすい学生・若者に焦点を当てて、セグメントしたコミュニティを新潟で作っています。

将来的にはさらにこのコミュニティを他の都道府県へ横展開していきたいです。



詳細インタビュー 👀

ーあらかわさんは今どのようなコミュニティを運営されていますか。

SN@P(スナップ)」(以下、スナップ)という、学生や30歳以下の若者が起業に挑戦するためのオンラインコミュニティを新潟で運営しています。

起業を志す若者が、スナップを通じて地元の先輩起業家と出会い、成長していきながら、人脈を広げ、都市圏で活躍する起業家と接続できるよう支援するコミュニティです。

ー立ち上げから関わっているんですか。

はい、起業支援を目的に2019年に会社を立ち上げ、それと同時にオンラインコミュニティを運営しています。

ー2019年から今に至るまで、何か大きな変化はありましたか。

今までSlackでコミュニティを運営していたのですが、今年の4月からDiscordに引っ越しをしました。

それに伴い、起業を目指す方が約200名、それを支援したい行政機関や起業家などが約80名、全体で300名弱のメンバーから100名程度に人数を減らしました。

ーあえて、メンバー数を絞ったのはどういう意図があったのでしょうか。

Slackのときはメンバーの属性があまりに雑多すぎてメンバー同士のコミュニケーションが取りづらかったというのが理由の一つです。当時は支援の対象者を学生に絞っておらず、資金調達をして大きく成長したい方を支援しますよ、というコミュニティでした。

しかし、支援する側・される側ともに、オンラインリテラシーの低い方が一定数混ざっており、コミュニケーションが取りづらいという課題がありました。そこでオンラインでのコミュニケーションが上手くできる人に絞るため、支援の対象者を学生とU30の方に限定しました。

将来的に学生支援をしていくと考えた時に、今の若い世代はFacebookやSlackよりも、Discordの方がゲーム文化などで使い慣れていたので、移行先のツールはDiscordを選択しました。

ーそれはコミュニティにとって大きな決断ですね。

お話を聞いていて、気になったのですが、そもそもあらかわさんご自身は、どんな経緯で起業支援のコミュニティに携わることになったのか教えてもらえますか。

元々は東京でブランディングやPRの仕事をしていて、ステイクホルダーとの関係性をマネジメントしたり、デザインしたりして、コミュニケーション設計をする仕事でした。

その後、教育に関心があったので、4年間新潟の学校法人で事務長として仕事をしていました。いかに退学者を出さないか考えたり、先生と生徒というステイクホルダーがいてその関係性を考えたりしていました。今思うと、学校もコミュニティだなと思います。

そして今回スナップで起業支援をやっていくとなったときに、コミュニティという手法を選択した結果、自分自身がコミュマネになったという経緯です。

ーなるほど、教育業界でのバックグラウンドがあったんですね。PR、学校運営を経ての起業支援とのことですが、どんなことを意識しながらコミュマネとして仕事をしていますか。

コミュニティってそもそも属人的なものだと思うし、コミュマネ自身もその人らしさ、属人的な面があって良いと思うんですが、仕組みは属人的にならないようにする、というのは意識しています。

ーもう少し詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか。

例えば、学校にはカリキュラムがあって、プログラムがあって、これを学んだら次はこれ、というふうに、学校というコミュニティの中での活動設計がきちんと出来上がっていますよね。先生や生徒の特性によって色々な結果にはなるんですが、ベースとなるカリキュラムに則れば、生徒は同じ教育内容を受けられます。

コミュニティの設計をするときも同じで、先輩・後輩だったり、それぞれの関係値など、属人的になるのは前提としながらも、コミュニティのコアサイクルに乗れば誰もがそのコミュニティの活動に馴染んでいける、みたいなところを意識して設計をしています。

ーまさにコミュマネラボの座談会で「コアサイクルを描こう」をテーマに話し合ったりしていますが、同じことをあらかわさんも取り組んでいるんですね!

ちなみに、今取り組んでいる課題や悩みなどはありますか?

コミュニティの中において、言葉の認識を揃えるのが、大切だなと思っています。

例えば、スナップでよくあるのは「本気」という言葉の認識の違いです。起業をガチで進めてる人の「本気」と、学生の言う「本気」で起業したいですという言葉では、「本気」の意味するところが違うんですよね。

すると、そこでミスコミュニケーションが起きたり、「本気」と言いながらそのレベルの人なら、話したくない、という状況になったりします。

言葉としては同じ「本気」でも中身が違う問題っていうのは起業家コミュニティでは起こりがちなミスコミュニケーションかもしれません。

ーその点についてはどう解決するんでしょうか。

そこは教育が必要かなと思っています。

以前は運営スタッフが起業を目指す学生たちとメンタリングをしながら、起業家たちに相談できるフェーズまで持ち上げていっていたのですが、だんだんその人数も多くなり大変になってきたので、つい最近「壁打ちAIメンター」というbotを作りました。

ー気になります!どんなbotなんですか?

オープンAIを裏側に仕込んで、Discord上でAIとメンタリングできるbotを作りました。

というのも、起業を目指す初期の段階では、「本当にそれ本気なの?」「本当にやりたいことなの?」など、ほとんど聞くことは共通しています。であれば、その相手はAIでも良いんじゃないかと思って開発しました。このbotを活用して、僕らも学生たちの本気度をあげたいなと思っていますし、オンボーディング的な役割も担ってくれたらいいなと期待しています。

ーぜひbotを導入した後の結果も見えてきたらシェアしていただけたら嬉しいです!今後の構想や目標はありますか。

起業支援といっても、起業家の年代や属性、ビジネスの内容はさまざまです。全員を支援しようとすると、あまりに対象者の幅が広くアプローチ方法も難しかったりします。

この点については、実はどの地方でも同じ課題を抱えているので、起業家の中でも学生やU30に焦点をあててコミュニティを展開するスナップの仕組みで解決できると思っています。なので、あとはその仕組みをどうやって他の地域にも広げていくか、広げやすくするためにはどういうやり方がいいのか、というのはずっと考えています。

ー最後にコミュマネラボとメンバーさんへ一言メッセージをお願いします。

コミュニティはずっとコミットしなくても良いと思っていて、メンバーが戻ってきやすい環境を整えるのも結構大事かな、と思っています。「ちょっと離れちゃったからもう戻れない」みたいには思わず、自分のタイミングが合うときにまた参加すればいいんじゃないかな。

コミュマネラボもそういうコミュニティであって欲しいなって思うし、自分はそういう思いでコミュニティを運営しています。なので、これからもタイミングが合ったときにみなさんとお話しできたりすると嬉しいです。

ー今日はお話しありがとうございました!これからもぜひコミュマネラボに気軽に顔を出してくださいね!