こんにちは。コミュマネラボスタッフのゆりなです。

もっとメンバーさんのことを知りたい!という思いからインタビュー企画を始めます。メンバーさん同士の相互理解を深めるきっかけになれば嬉しいです。

■ shoheさん運営コミュニティ基本情報
DMM Boost社でBtoBのコミュニティ“Booster”を2022年5月から運営。わずか開始半年でミドルボリューム規模に拡大。 「ECを始めるのであればBoosterに入れ」という市場の常識を作ることを目指している。

コミュマネ一問一答💡

理想的なコミュニティ像
コミュマネもメンバーの一人として、目的に対して全員で走っている状態
自立分散的にイベントや情報共有が行われている状態

趣味 
旅行・キャンプ・飲むこと

目下の目標 
コミュニティが事業にとって不可欠なポジションを確立すること

コミュマネになって一番苦労したこと 
* 初期設計の無知識状態からの設計図構築 
* 理論と現場の乖離をチューニング

オンボーディングはどうしてる? 
基本的にオンボ対象顧客は電話→オンボイベントへの誘導

コミュニティへの思い 
新しい価値を作って世界の常識に引き上げていきたいぜっ!!!

メンバーさんへ一言 
いつも凡庸な僕にたくさん的確なアドバイスをいただきありがとうございます! レベル0の状態からレベル30ぐらいまで引き上げていただいたのはコミュマネラボがあったからこそです! これからも引き続きいっぱい情報をもらう代わりに実践したことや自分の考えをラボに反映していければと思っています。

詳細インタビュー 👀

-コミュマネになった経緯・理由を教えてください

大学の友人からの紹介で現職への転職を決めました。当初はカスタマーサクセス責任者として入社する予定でしたが、コミュニケーション室を新設するのでその部署の立ち上げを実施してほしい、と言われました。僕、和田翔平って名前なんで「和田ちゃん」って呼ばれてるんですけど、「コミュ力あり、人と繋がるのがうまいので、まだ事業として確立していない事業だからこそ頼みたい」と言われて、コミュニティマネージャーという仕事を始めることになりました。当初は知識が0で、本を読んでインプットすることから始めました。

-会社がコミュニケーション室を新設してコミュニティをやろうと意思決定したことがすごいなと思うのですが、どうしてなんですか。

決定のタイミングには会社にいなかったので伝聞なんですけど、3つの理由があるみたいです。

1つ目は、市場の認知度を高めるためです。LINEを使うCRMツールを売っていますが、メールを使うCRMツールが多いなかで認知度が低いのでコミュニティを通して顧客へ情報を発信したり、ニーズを取得したりするためです。

2つ目は、社会記号との照らし合わせがなかったためです。ECを運用していると「コミュニティ」っていう言葉が最近流行っていると聞きますが、ツールとして参照する軸がありませんでした。「オンライン接客」や「LINEにおけるCRM」のような近いものはありますが、発信のトリガーになる記号があまりありませんでした。なので、社会記号に紐づける打ち手になるのではと思っています。

3つ目は、サービス熱量の高まる場所がなかったためです。それまで「ツールを入れて終わり」になっていました。コミュニティを使ってツールの上手な使い方を直接伝えたり、UGC(=ユーザーの手によって制作・生成されたコンテンツの総称)が増えれば、ツール起点で売上が上がると考えました。

以上の理由でコミュニティをやることになったと聞いています。

-珍しい組織形態のように思いつつ、CS的な価値もマーケ的な価値もあるコミュニティをコミュニケーション室で扱うのはシンプルに説明できて面白いなと思います。

まさにそうで、SaaSの業務はマーケ、セールス、CSに分かれています。もちろん細かくするともっと分かれますが、それらをコミュニケーション室は横串でできます。

なので僕は社内コミュニケーションも仕事として設計したりしています。フィールドセールスは獲得した後の顧客事例がどうなっているかわからないのですが、コミュニティだと顧客事例がハイタッチでわかります。なので、「こういうことが起こってるからこれをセールスに使ってくれ。」「事例書いたからこの材料をマーケとして出してくれ。」「Twitterの投稿に使ってくれ。」みたいな逆流させるような横串の動きをしています。

-コミュマネになって半年ですごく整理されていて、爆速の立ち上がりですね。

外堀はめっちゃしっかり作れていると思っていますが、内部はもっと整理して体系化できると思っています。

定量的な分析が必要だと思って、さっきちょうどコミュマネラボの企業戦士会チャンネルに「投資Iの部分をどうやって引っ張っているか、みんなの定点観測してるデータを教えて」みたいなことを投稿しました。

一方で爆速で立ち上がっているのは事実だと思っています。たくさんの方から立ち上げが早いね、と評価されているので。

-コミュマネをやる上で大事にしていることはありますか。

顧客との関係や知識量のチューニングを大事にしています。インプットしないといけないことは多いですが、みんな時間のない中でユーザー同士の相互理解を増やしてレベルを上げていく必要があると考えています。

例えば、話していてもわからないことを「わかんない」って言えない人もいっぱいいるので、難しい話をちゃんと噛み砕いて、全員の認識を徐々にあげることで、話を理解できていなかった方が知識量の豊富な方と会話が合うようになるし、逆に前者の持ってる情報が最初の情報より良い情報だったらチューニングして、全員で目線を上げていくようにしています。

-もちろんすごく勉強されていると思うんですけど、半年の密度がすごいと思っています。あのときの経験が活きてるな、繋がったなみたいなことはありますか。

中学のバスケ部がめっちゃ強いチームでフラットコミュニケーションが行われる場所でした。本質を重要視するというか、上下関係よりもうまいかうまくないかという環境でした。 そういう場所で育ったから仕事でもそういう考え方なのかもしれないです。

-本質を求めるからこそ、上に対しても下に対してもコミュニケーションはフランクにしています

今の会社に入るときに友人から「お客さんはお前より全員年上だからな」って唯一注意されました。でも、僕は「わかった」って言って、同じようにフランクなコミュニケーションをしています。

-天性のものもありつつ、学生時代などの経験が加わってという感じなんですね。

僕はひとり親のひとりっ子で、小さい頃から親の連れや目上の人と絡むし、寂しいから友達にもいっぱい絡んでいました。そういうのは多分影響したと思います。

ひとり親のひとりっ子には2パターンあると思っていて、コミュニティ形成がうまいタイプと、プライドが高い自分の世界をつくるタイプのどっちかで、僕はどっちかって言うと前者でバランサーかなと思っています。

-タイプの話だと、コミュニティ運営者やコミュニティマネージャーの人は割とふんわりした空気感の方が多い印象があります。でも、実は、物事を構造的に捉えたり、法則を考えたりする方向に思考が寄っている人が結構向いてるように思いますが、理系だったりしますか。

理系です。建築学科出身で、得意科目が数学、物理、英語、国語でした。

理系ですけど文系の友達と遊んでいて、情緒的な繋がりは文系的な思考で、バーバルコミュニケーションでやりたいタイプですね。

-あんまりいないタイプですよね。タイプの違いを考えずに、コミュマネをアサインするとギャップがあったり、 コミュニティがうまくいかなかったりするのかなと思ってます。

ノリや空気感に特化してコミュニケーションするタイプだと本人に負担がかかりがちだし、カチカチっとシステマチックにするタイプすぎてもコミュニティが活性化しないと思うので、難しいですよね。

-やってよかった施策やイベントはありますか。

ツッコミ会・プロダクトフィードバック会・オフ会はやってよかったです。

ツッコミ会は、ユーザーを3人募集して先着で集めて、サイトをよくするためにユーザー同士が突っ込んでいく会です。

初っ端は「ファーストピンのメンバー」にやってもらいました。感想を投稿してもらったら、みんなが賛同してくれて、その後はいろんな人が参加してくれて、UGCも生まれて、 気づいたらうちのCSからも好評を得ています。

-フィードバック会とは違うんですか。

フィードバック会はうちのサービスについての会ですが、ツッコミ会は、例えばユーザーがコミュマネのやり方を開示するのでつっこんでくださいみたいな会で、この間、僕がコミュマネラボでやった企業戦士会のKPIの会のような感じです。

ある程度完成して改善点がわからなくなっている人が多いが、第三者視点だと改善点が明確になります。

あと、自分でも気づいてなかったけど人に突っ込んでいたら悪いところが結構見つかって、「あ、これ自分もできてないや」って気づけることがあるようです。

これは僕が始めたんじゃなくて、ユーザーから声が上がって始まったイベントです。

-失敗談はありますか。

流入した顧客に対して継続アプローチをおろそかにしてしまっています。1ヶ月に30人ぐらい流入してきますが、 全員に定期的にアプローチするにはリソースが足りず、未だに対策を打てていません。

とりあえずオンボーディングさせることが先決で、熱量は、例えば2ヶ月後にリソースが増えたタイミングでやっても再燃するかなと思っています。

今は上位20パーセントを作ることに注力をしていて顧客のフォローアップはできていません。解約する企業も出ているので失敗は失敗です。

-今までこれは危うかったなとか気づいてよかったな、みたいなことはありましたか?

基本、不可逆なことを攻めていないからないかもしれません。

今ちょうど「投資したい」から「人件費を取りに行きたい」というフェーズにやっと入ってきました。勝ち筋がやっと見えたので、不可逆なことに投資しても回収できるかなと思っています。

-シビアなフェーズですね。聞いてみたかったんですけど、負荷もかかる仕事だと思います。その場合、発散はどうしてますか?

忘れるようにしています。あとは人の力を借りて負荷を減らしてますね。

実は、いまチャレンジングな時期なので負荷を感じています(笑)。見えないゴールを作るのが大変なんです。。

仮説を検証して達成するっていうタイプではないのですが、コミュニティって見えないことを追いかけることが多いと思っています。僕は帰納法的な考えをするので、見えない中から、ROIを算出するのは個人的には難しい業務です。

数字を測定する工数に対して仮説検証に時間がかかるのに、出てきた数字が自分のスコープとずれてることが多々あります。必要な業務だけど、おおまわりだなと正直感じちゃう瞬間もあります(笑)。。

コミュマネLABでも一貫して「コミュニティの成果指標どうやって測ってる?」「見えないゴールに対してどんな情報とってるの?」みたいなところはずっとみんなに聞いています。

誰も明らかな答えを持っていないんじゃないかな?と思い、ちょっとずつ効果検証しないといけない気がしています。

-コミュニティ内のネットワークの強度を測るためには発言量のばらつきやつながりがどのくらいあるか、みたいなことが見えるといいかなと思っています。ただ、そんな情報が手に入るプラットフォームは少ない印象です。ぜひcomcom Analyticsをぶちこんでください(笑)。

もちろん使っています。ユーザーフィードバックをしています(笑)。

最近感じているのは、コミュニティ運営もお金が潤沢なわけではないということです。だから、もっと効率よく定性的なデータを定量化できないかな、と考えています。例えば「市場調査をするのに100人アンケートを取ったら10万円かかります」みたいな話と一緒で、これが今の課題です。

コミュニティのROIが算出しづらいのは計測がだるい、ROI の R / I の定義が難しい、計測データをどうみるか難しい、の3つの理由があるんですかね。コミュマネラボのメンバーと一緒に考えていきたいですね。
今日はめちゃくちゃ勉強になりました。ありがとうございます。最後になにかありますか。

コミュマネLABには、匿名でもいいからコミュニティの定量データをある程度一定の指標を持って、比較検討できるような場所であってほしいです。

- がんばります!ありがとうございました。

次回はsudaxさんです!!